Let's not say "goodbye".

まず初めに、この場を借りてお詫び申し上げます。
2014年10月13日。この日、Libra演劇ワークショップ舞台公演が開催される筈でした。
しかし、台風第19号による暴風警報の発令により、公演を中止させて頂きました。


出演者の皆様並びに、この公演を楽しみにしてくださっていた皆様、そして、このワークショップに心血を注いでくださった楠見彰太郎先生、ツツイエンターテイメントの白井社長、この公演に携わってくださったスタッフの皆様、本当に申し訳ございませんでした。慎んでお詫び申し上げます。


この舞台公演は、演劇ワークショップ受講者の皆様が積み重ねてきた努力の集大成です。
担当者としてずっと皆様の稽古を見てきた私には、「何としてもこの公演を開催し、成功させたい」という強い思いがありました。
その一方で、主催者としては出演者の皆様とお客様の安全を最優先に考えなければならないので、警報が出ている中、開催を強行することは許されないというジレンマがありました。


延期の可能性も探ったのですが、色々な条件が重なり合う中、折り合いが付きませんでした。


そして、非常に難しい決断でしたが、中止とさせて頂いた次第です。
本当に難しい決断でした。一担当者としては断腸の思いで、悔しくてなりません。


でも、私以上に出演者の皆様は、もっとやりきれない気持ちだったに違いありません。出演者の誰もが皆、時間とお金を使い、情熱を注ぎ、この日の為に稽古を積んできたのですから。
主催者の「中止」の一言で、これまでの皆の努力が水の泡になってしまうなんて、どうにもやりきれません。
せめて、皆様の努力を形に残したいとの思いで、急遽収録を実施することにいたしました。天候の状況を見つつ、危険と判断したら即刻中止との条件付きで。


この日、舞台には演劇の神様が降臨していたのかもしれません。皆の心がひとつになり、収録は無事に終わりました。
収録後、舞台袖では出演者の皆様がお互いの好演を称え合い、涙を流してみえました。美しく、感動的な光景でした。
涙を流せるということは、一人一人がこの日に向けて真剣に努力してきた証であり、「沢山のお客様の前で」ということは叶わなかったにせよ、舞台で全てを出し切ったからこその涙なのだろうと思います。


公演は中止になりましたが、皆が共にワークショップで過ごした時間は、一人一人の心に刻み込まれています。それは、紛れもない事実です。
私ごときが言うのはおこがましいのですが、全員一丸となってひとつの目標に向かって歩んだこの経験は、これからの人生の糧となるものだと思います。


そして、私自身来年こそは、出演者の皆様に余計な心配を掛けずに、舞台に集中して頂ける環境を作りたい。
満席のお客様に大きな感動を味わって頂きたい。そう、切に願っています。
既に、僕の中では来年の演劇ワークショップは始まっています。
だから、さようならは言いません。


皆様、また来年お会いしましょう!